介護職でもっとも多いと言われているのが「人間関係」によるトラブルです。介護業界は求人率も高いのですが、その分離職する人も多く、人がなかなか根付きにくい環境でもあります。これは利用者との問題だけではなく、利用者の家族や同じスタッフ同士でも同様のトラブルが原因の場合があります。
介護は人と人が密に関わる仕事なので、他業種以上にストレスがかかりやすいのです。主な原因は「コミュニケーション不足」で、うまく意思の疎通が取れていないことが人間関係の歪みを作り出しています。なぜコミュニケーションが取れないのか、理由は複数あります。
一つめは「人手不足による過密なシフト」で、交代できる人員が確保できていないため、スタッフに満足な休暇を与えられないこと。二つめは「古参スタッフによるやり方や空気が確立されてしまっていること」。事業所の中には古参スタッフ同士で派閥ができているところもあり、新規スタッフが馴染めず辞職していくケースもあります。三つめは「スタッフ同士で話し合える土壌ができてない、意見の交換ができないため」です。仕事が流れ作業化してしまい、スタッフ同士でやり取りする機会が無いことがあります。
これらの原因が重なってしまい、コミュニケーション不足を引き起こしてしまいます。精神的に余裕が無い状態なので、利用者に対する配慮が欠けてしまうのです。こういった事態を改善するために小まめなミーティングを開いている事業所もあります。